忘憂草

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萱草の一輪咲きぬ草の中

　　　　　　　　　　　　漱石

梅雨空のもと

雨滴がひかる夏草の原に

燃えるような赤橙色花が目を引く

万葉のころから歌に織り込まれたそうな

白っぽい空ながら

久々に朝から陽射しを見た日曜日

たっぷり水を含んだ土の香にむせる

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